頭内爆発音症候群

頭内爆発音症候群というものをご存知でしょうか。私がかつて悩まされた症状なのですが、非常に言葉では表現し難い症状であるため、つい最近までその正体を知ることが出来ずにいました

頭内爆発音症候群とは、夜、眠りに落ちようとした瞬間に頭の中で音がして目が覚めてしまう症状です

名前通り最も報告例の多い症状は爆発音がするというものですが、スピーカーノイズやシンバルのような音がするという症状や音ではなく強い光が見えるという症状も確認されています。私の場合はスピーカーノイズでした

アメリカで行われた調査では、頭内爆発音症候群に悩まされている人は人口の20%にも及ぶという結果が出ています。もしこの記事を読んで心当たりがある人は調べてみると良いでしょう

私が頭内爆発音症候群に悩まされていたのは高校一年ぐらいまでです。この症状が一番初めに起こったのがいつだったかは覚えていません

当初、私にとっては二日に一度は起こるごくありふれた症状だったため、全く気にしていませんでした。しかし、高校一年の夏にノイズで起こされた後もしばらくノイズがかかり続け、周りにあるもの全てが青く見えるという現象が起きてから何かがおかしいと認識するようになりました

当時の私は寝る時にこだま電球をつけていたため、周りのものが青く見えるというのはおかしいのです。ノイズが消えるともに視界が青から黄色に変化していき、寒気がしたというのは今でもよく覚えています。また、ノイズがかかっている間は全身が痺れていました

脳内でおかしなことが起きている、という直感的な感覚から、初めはてんかん発作を疑いました。しかし、調べれば調べるほどてんかんは私の症状とは全く別のものであることが分かります

親にも相談しましたが分かってもらえませんでした。何より、非常に主観的で例えられるものが少ないため、同じ経験をした人にしか分からないことは私自身がよく分かっていました

この件で私は、自分が物心ついた頃から正体不明の症状を抱えており、それに何の疑問も抱かず生きてきたということが怖くなりました

しかし、高校一年のその一件以来症状が起こる頻度はなぜか急激に減っていき、ついには無くなってしまいました。それでも高校の間はこまめに調べていたのですが、進学してからは忙しさで調べなくなり、過去のことだとしてあまり気にしないようにしていました

そしてつい先日、たまたま目に映ったまとめ記事を読んで正体を知ることになりました

正体が分かるだけでだいぶ不安が薄れます。名前を知り、同じ症状を持った人やそれを研究している学者がいると知れば、もう一人で悩む必要などないのです

何でもかんでも病気にしてしまう現代の医学に対してはよく疑問の声が上がっていますが、私はその有り難さを理解しました。この世に存在する全ての概念は名付けられることで畏怖の対象から外れ、人間に対する攻撃性が軟化するのです

頭内爆発音症候群は、別に危険な症状ではないことも分かりました。少なくとも現時点では、他の致命的な病気との関連性は確認されていないそうです。ただ、ちょっと眠りにくい。それだけだそうです

詳しい原因も分かりました。ストレスによって眠りの脳波の発生や伝達に時差が起こり、眠りが阻害された時に感じる症状だそうです。確かに私の小学校時代、中学校時代はストレスフルでした。そしてそれは高校で解消されました。症状が消滅した時期と一致するわけです(高校一年の時は慣れない環境がストレスだったのでしょう)

原因が分かれば次発症した時の対処法も分かります。耐え難いストレスを感じたら徹底して逃げ続ければ良いのですが、それはまさに今私が実行している生き方です。故に、このままで良いということです

さて、冒頭にも述べましたが、もしこの症状に心当たりがある人は今すぐこれを調べてほしいです。私が初めからこの症状の名前や医学的な位置付けを知っていれば、何年もの間かつての症状を思い出して不安を感じる必要はなかったのです。人口の20%もいる同じ症状を経験した人たちに同じ思いをしてほしくないので、この記事を書きました

私の同胞に幸あれ、ということでこの記事を締めさせていただきます

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